外壁塗装の色褪せについて
「外壁塗装の色褪せについて」
新築の頃や塗装したばかりの外壁は、輝きのある美しい色合いをしています。でも、その美観はいつまでも続くわけではなく、年数が経つとともに次第に“古びた”や“くすんだ”という表現がぴったりな色褪せた色に変わっていきます。
色褪せのスピードや状態はさまざまですが、“色褪せ”はどんな外壁でも起こることです。
そもそも、どうして色褪せが起きるのでしょうか。
今回は、色褪せの原因やメカニズム、そして色褪せしにくい色なども含めて“外壁塗装の色褪せ”を詳しくお伝えします。
外壁塗装の“色褪せ”はなぜ起きるのか?
色褪せが起こる主な原因は、紫外線や酸性雨など自然から受ける刺激によるものです。
同じ外壁でも「色褪せしているところ・していないところ」というように、日当たりによって色褪せ具合が異なっているケースも多いかと思います。
いわゆる「日当たりの良い建物」は、言い換えれば「紫外線の影響が大きい」ということ。紫外線の刺激により塗料は劣化するスピードも速く、色が薄くなっていきます。
工場や自動車の排気ガスなどの化学物質が空気中に排出され、それが雨と結びついた「酸性雨」も外壁の色褪せの原因と考えられています。
また、正しい方法で塗られていない場合に色褪せのスピードが早まるケースがあります。塗装をして間もないのに色褪せてきたときは、施工不良の可能性も考えられます。
色褪せが起こるメカニズムとは?
外壁塗装で色褪せが起こると、これまで鮮やかだった色が薄くなり、見栄えはよくありません。また、外壁の色褪せは単に美観を損なうだけでなく、「塗膜の劣化」も意味しています。
色褪せはどんなメカニズムで起きているのでしょうか。
1.塗料に含まれた色素の結合が切断される
塗料には「顔料」という色のもとになる成分が含まれています。原子が結び付いて構成される顔料ですが、そこに紫外線などの力強いエネルギーが加わると結合が破滅します。それが原因で本来の色が褪せてしまうのです。
2.化学変化で物質そのものが変わる
化学変化により、塗料内に含まれた物質が別の物質に変わることもあります。
たとえば「酸化」という化学変化が有名です。酸素と結びついたことで「鉄」が「酸化鉄」となり、色もまったく違ったものになります。
色褪せを防ぐための方法
紫外線や雨の影響をまったく受けない家はありません。自然の影響で起こる“外壁の色褪せ”は、どこでも起こる可能性があるでしょう。
そこで、色褪せが起こったら対処できること、色褪せを目立たなくすることなど、色褪せを防ぐための方法をご紹介します。
色褪せが起こったら塗装を検討
色褪せは、自然の影響を受けながら経年劣化で起こるものです。色褪せが起こるまでの期間に差はあるにしても、いずれ色褪せするので「色褪せてきたな」と感じたときに、定期的に塗り替えをしていくことをおすすめします。
新築時、もしくは前回の塗装時期からどのくらい経過したか…にもよりますが、色褪せが起こっている時点で塗装を検討するようにしましょう。
塗装の際に色褪せが目立たない色を選ぶ
塗料の色によっては、色褪せがかなり目立ちます。
色褪せ自体は避けられないことですが、色褪せしたときに目立たない色という視点で「塗料の色」を選んでみましょう。
・色褪せしやすいのは「鮮やかな原色系」
色褪せしやすいのは「赤」「黄色」「紫」「緑」など、鮮やかで目立つ色です。
これらは住宅の外壁に選ぶ色としては、注目度は低いかもしれません。でも、なかにはアクセントカラーとして部分的に選ぶケースもあるかもしれません。
ただ、鮮明な原色は、紫外線が吸収されやすく、色褪せが目立つことは事前に知っておいた方がいいでしょう。
・色褪せしにくいのは「落ち着いた色」
色褪せしにくいのは、「白」「黒」「青」「ベージュ」「グレー」「ブラウン」などです。
白の顔料となる酸化チタンは、無機顔料で化学変化が起こりづらく、色素も破壊されづらい特徴があります。
黒の原料も無機顔料で着色力があり、色褪せ自体は起こりにくいです。耐光性が高いものの、紫外線を吸収して温度が上がりやすく、化学変化が早まる色です。
ただ、白や黒は、色褪せがしづらいという特徴を持つ反面、外壁に塗る場合には「汚れが目立つ」ことを理解しておく必要があります。
青は「鮮やか」で原色のような色合いをしていますが、耐光性があり光を反射しやすい特徴を持っています。
色褪せだけでなく、“防汚性”という観点で考えると、白や黒を選ぶよりもベージュやグレーという落ち着いた色の選択肢がおすすめです。
塗料の機能にも注目してみよう
どんな色を選んだ場合でも、塗膜が劣化してくれば、色褪せてしまいます。
そこで、「汚れがつきにくい」「光の影響を受けづらい」「耐候性が高い」など、機能性の高い塗料を選ぶのも色褪せの進行をおさえる方法のひとつと言えるでしょう。汚れやカビなどがつきづらい塗料は、それだけ塗膜の劣化もおさえられて、もともとの塗料の色が長持ちします。
色褪せしにくい色を選ぶことはもちろんですが、耐候性にも着目してみてください。
まとめ
住まいを古びた印象にする外壁塗料の色褪せ。くすんだような色を見ていると、家が古くなったように感じますよね。
塗料に色褪せが起こったからと言って、今すぐに塗装しなければならないほど緊急性があるわけではありません。ただ、色褪せは塗料の劣化で起こるため、本来の塗料の役割が失われている状態と言えます。
「色褪せが気になってきた」というタイミングで、塗装を検討してみてはいかがでしょうか。
また、「色褪せしやすい色・色褪せしにくい色」を知っておくこと、塗料の色選びで役立ちます。
「塗装をした方がいいのか」「どんな色で塗装すべきか」など、塗装を検討するとあれこれと悩むものです。
しかし、迷っているうちに塗装のタイミングを逃がすとお住まいの劣化にもつながります。
まずはプロに相談してみることをおすすめします。
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